
Breeze(HubSpot)
HubSpotのAI機能は「Breeze」という名前で統合されています。以前は「Copilot」という名称でしたが、2024年以降は全てBreeze配下に整理されました。機能の詳細は記事下部で紹介します。
こんにちは、西岡です。いまHubSpotのAI機能が急速に進化しています。今回は、HubSpotで使えるAI機能の全体像と、実際にどう活用できるのかを整理してみました。
タイトルは「HubSpotのAI」ではなく「HubSpotとAI」なので、外部連携についても多めに触れています。
HubSpot内で利用できるAIと外部だけど連携できるAIツールについてざっくりと紹介します。HubSpot内のAIが知りたいという方は、記事下部にお進みください。

HubSpotのAI機能は「Breeze」という名前で統合されています。以前は「Copilot」という名称でしたが、2024年以降は全てBreeze配下に整理されました。機能の詳細は記事下部で紹介します。

ChatGPTとの連携ではアプリとコネクターの2種類が利用できます。
◼︎コネクターについて
コネクターは、ChatGPTの有料エディションを契約している必 要があります(対象:Pro、Plus、Team、Enterprise、Edu OpenAI)。
現在、アクセスできるのは主要なCRMオブジェクトと属するプロパティー類です。エンゲージメントなどのデータは対象外です。
Deep Researchのソースとして利用可能です。
詳細はこちらの公式ヘルプ記事から。

Claudeとの連携ではアプリとコネクタの2種類が利用できます。
◼︎コネクターについて
コネクターは、Anthropicの有料エディションを契約している必要 があります(対象:Pro、Max、Team、またはEnterprise)。
現在、アクセスできるのは主要なCRMオブジェクトと属するプロパティー類、セグメント、そしてエンゲージメントです。
HubSpot側への書き込み(作成・更新)も行えます(ベータ版)。
詳細はこちらの公式ヘルプ記事から。

Geminiとの連携ではアプリとコネクタの2種類が利用できます。
◼︎コネクターについて
コネクターは、現在ベータ版ということもあり、全ティアのGoogle Workspaceの利用者、Standard Edition、Business Plus、Enterpriseの有料プランを契約中で、 Gemini Alphaアルファ版の契約者が利用可能とのこと。
現在、アクセスできるのは主要なCRMオブジェクト(コンタクト、会社、取引)と属するプロパティー類です。
詳細はこちらの公式ヘルプ記事から。
HubSpot公式から連携コネクターの発表があったのは2026年1月 現時点ではChatGPT,Claude,Geminiの3つになります(見逃してたらすいません...)。以下、各種機能の比較です。
| ChatGPT | Claude | Gemini | |
| 書き込み機能 | × | ○*2 | × |
| 削除 | × | × | × |
| エンゲージメント履歴 | × | ○ | × |
| 対応オブジェクト数*1 | 4種類 | 13種類 | 3種類 |
| Deep Research | ○ | × | × |
| 日本語対応 | ○ | ○ | × |
*1.下記対応オブジェクト
ChatGPT:コンタクト、会社、取引、チケット
Claude:コンタクト、会社、取引、チケット、ユーザー、商品項目、見積もり、請求、注文、カート、製品、サブスクリプション、セグメント、エンゲージメント(コール、ミーティング、メモ、タスク、Eメール)
Gemini:コンタクト、会社、取引
*2ベータ版での提供
作成・更新ができるのは主要オブジェクトと商品項目、エンゲージメントになります。請求関連やセグメントの作成・編集などはできません。
上記の代表的なAI以外にもxAI(Grok)、Cohereも利用できます。ただどれかEnterpriseプランを契約することでアクセスできる「カスタムLLMワークフローアクション」での使用となるため、導入のハードルは少し高いかもしれません。
これらのAIを有効に活用するためにHubSpotは、プロンプトライブラリー(外部記事へ)というページを公開しています。マーケ、セールス、CS向けなど様々なユースケースにあったプロンプトが載っているので、もし興味があればご覧ください。
その他のAIツールとの連携に関しては、HubSpot MCPサーバーを利用して接続することができます。MCPはHubSpotからデータを引っ張ってくるだけでなく、レコードやプロパティーの編集・作成をできるため、HubSpotの事業者としてはデモ環境を作成するのに重宝してます(こいつもそのうちClaudeが標準で用意してくれそうですね)。MCPを触ったことに関する記事も以前書いてるので興味ある方は読んでみてください。
さて、ようやく本題のHubSpot内蔵AI「Breeze」の話です。外部AIとの違いをひと言でいうと、HubSpotの中で完結すること。
自社の顧客データ、取引履歴、過去のやりとり、さらにはHubSpot自身のナレッジまで踏まえた上で応答してくれるので、わざわざコンテキストを説明する手間が省けます。
外部AIだと「このコンタクトの情報を見て」とデータを渡す必要がありますが、Breezeはすでにそのデータの中にいる。
メールの返信文をその場で作ってくれたり、レコードの要約をサッと出してくれたり。この「HubSpotの画面から動かなくていい」というのが地味に大きいです。
Breezeにはいくつかの要素がありますが、押さえておくべきはBreezeアシスタントとBreeze Agentsの2つです。ざっくり分けると、アシスタントは「聞いたら答えてくれる対話型」、エージェントは「勝手に動いてくれる自律型」です。
Breezeは複数の要素で構成されていますが、大事なのはBreeze AssistantとBreeze Agentsです。この2つに注目して紹介します。(以下、Breezeアシスタントと表記)

HubSpot内で使える会話型のAIアシスタントです。コンテンツの生成・微調整、ミーティング準備、データの要約などを、HubSpotの画面から直接実行できます。モバイルアプリ版があります。

コンテンツマーケティング、案件創出、顧客対応といった広範な業務をチームの一員として自動で処理するAIツールです。Breezeマーケットプレイスでチームに適したBreeze Agentsを選び、Breezeスタジオで管理・カスタマイズを行います。
登場した最初の頃は「うーん、どこに使うんだろう」と頭を悩ます存在でした。しかし最近のアップデートはめざましく、実運用に耐えるものになっていると言えます。
| できること | 詳細 |
| コンテンツの生成・編集 | プロンプトに基づいたページやEメール作成 画像の生成 選択したテキストのテイスト変更(展開・要約・トーン変更) ブランドボイスの適用 |
| CRMデータの操作 | レコードの作成 レコードの要約 レコードの検索 メモの追加・確認 |
| データの要約 | マーケティングEメール、レポートのパフォーマンス要約 アンケートの回答要約 ワークフローの登録理由・実行アクションの説明 |
| その他 | プロンプトでプロパティーやワークフローを作成 ミーティング準備(カレンダーと連携) 見積もり作成(Commerce Hub Pro以上) HubSpotの機能・製品の最新情報を説明* |
コンテンツ生成に関しては標準的な能力を持っています。
ただ自分の場合は、テキスト周りはClaude、画像生成はGeminiで作成し慣れてしまっているので、あえて使おうって感じではないです。
CRMデータの操作だと、レコードの作成は使ってみて面白いなと感じました。Claude以外の外部AIツールではプロンプトによる作成ができないので。モバイルアプリが音声入力に対応しているので、音声で「これメモに残しておいて」といったクイックな使い方ができます。
個人的にはHubSpotの機能説明がアツイと思っていて、ワークフローの編集をしている際にふと気になったことをこのAIに聞くことで、わざわざGoogleに検索しに行く必要もなく、HubSpot内で調査と解決まで持っていけます。
最新情報は「今週リリースされた新機能は?」と聞くと、そのタイミングでリリースされた機能を紹介してくれるので、一般ユーザーの方はわざわざ追いかける必要はありません。自分もニュースレターでHubSpotの最新情報を配信していますが、これを活用されてしまうと、もう僕の最新情報コーナーは要らなくなってしまうかもしれません、おそろしい...。
ここでHubSpotが提供しているBreezeアシスタントの中から、自分が普段使っているものを紹介します。

ざっくりいうと過去の「コール」レコードの情報を分析して、フィードバックと具体的なアクションを提示してくれる自動コーチング機能です。毎回打ち合わせの後に「このミーティングの振り返りをしたい」とアシスタントに投げかけると、コールレコードにある文字起こし情報を取得し、以下の観点からフィードバックをくれます。
ちなみに上記の分析方法はアシスタントのプロンプトに書かれている内容です。

個人で活動する人間にとっては、さっきの打ち合わせはよかったのか?と気になってもなかなか振り返る手段というのが限られているので、フレームワークに沿ってAIがアドバイスしてくれるこの機能はとても面白いと思いました。
ただこのアシスタントの指示情報を見るに、提供されるのは文字起こしされた情報からのフィードバックなので、文字に出ていない相手の声のトーン・スピード・大きさといった音声情報は入っていない点は考慮しておく必要がありそうですね(推測ですが)。
Breeze Agentsは、特定のタスクを自律的にこなしてくれるAIです。多くのAIエージェントが提供されていますが、代表的なものをここでは紹介します。中にはHubSpotの機能として完全に組み込まれているものもあります。

問い合わせへの初期対応、リードの選別、ミーティングのスケジューリングを24時間やってくれるエージェントです。夜間や休日の「とりあえずの一次対応」をカバーできるのが強みです。
◼︎利用可能なプラン
いずれかの製品のProfessional以上

営業向けのエージェントです。見込み客のリサーチ、購買シグナルの検知、パーソナライズしたアウトリーチメールの作成を支援してくれます。自分でゼロから調べて文面を考える時間が削れるのは大きいです。
◼︎利用可能なプラン
Sales Hub Professional以上

打ち合わせ前に「この会社ってどんな状況だっけ?」を調べてくれるエージェントです。事前準備の質が上がるので、初回ミーティングでの印象が変わります。
◼︎利用可能なプラン
いずれかの製品のStarter以上

CRMデータ、やりとりの履歴、コールの文字起こしをもとに、失注した取引の原因を分析してくれるエージェントです。なぜ負けたのかを正確に把握して、次の商談に活かすためのコーチングまでしてくれます。
◼︎利用可能なプラン
いずれかの製品のStarter以上
この他にも、Marketing HubのPro以上の方であれば一度は見たことがあるであろうSNS投稿エージェント(ベータ)や、ワークフロー内のスマートアクション(カスタムプロンプト)やスマートプロパティーといった機能を備えているデータエージェントなど、何気なく使っていた機能などもエージェントとして表示されているケースがあります。
データエージェントに備わっている各機能(スマートコラム以外)については、記事にしているので興味ある方は読んでみてください。
スマートアクション(カスタムプロンプト)の利用
▶︎ HubSpotで年齢を管理・更新する方法
https://soma24.net/blog/hubspot-workflow-management-age
▶︎ HubSpot内で選択形式プロパティーを日付形式にする方法
https://soma24.net/blog/hubspot-change-property-type-dropdown-to-date
▶︎ HubSpotスマートプロパティーの作成と利用に関して
https://soma24.net/blog/hubspot-smart-properties-how-to-use
これらの他にもContent Hub Pro以上であれば、コンテンツを各種SNSやメールの形式に生成してくれるコンテンツリミックスやAIウェブサイト・ブログ生成機能があります。
自身のプランによって、利用できる機能に制限はありますが、使ってみるととても便利なものが見つかるかもしれません。ぜひ一度触ってみてください。
Breezeは非常に便利な機能ではありますが、いくつか注意が必要なものでもあります。
まず費用について。各種AIは、機能によって利用するたびにHubSpotクレジットを消費してしまいます(アシスタントはクレジットを消費しません)。
各月で用意されている分を使い切ってしまうと課金するまで、その機能を利用することができません。上記で紹介したスマートアクションなどが止まってしまうとデータが乱れ、運用に大きな支障をきたす恐れがあります。
HubSpotクレジットについては記事を書いてるので、もしよかったらみてください。
▶︎ HubSpotクレジットに関する基礎知識(2025年12月更新)
https://soma24.net/blog/hubspot-credit-guide
ここまでかなりイケイケでBreezeの機能を紹介してきましたが、導入前に一度立ち止まって確認しておきたいことがあります。それはHubSpotのAI設定です。

HubSpotでは、AI機能がどのデータにアクセスできるかをスーパー管理者が制御できます。設定は大きく分けて以下の項目をオン/オフで切り替えられます。
生成AIツールおよび機能へのアクセス
そもそもユーザーに生成AI機能を使わせるかどうかの大元のスイッチです。この配下に、さらに細かいデータアクセスの設定があります。
便利にするためには当然データへのアクセスが必要なのですが、組織によっては「この範囲のデータはAIに読ませたくない」というケースもあるはずです。たとえば、NDA関連のやりとりが含まれるメールや、センシティブな取引情報など。
いずれにしても、AIをオンにする前に「何のデータをどこまで読ませるのか」は組織としてルールを決めておきましょう。後から「え、そのデータもAIに渡ってたの?」とならないためにも、スーパー管理者は一度設定画面を確認しておくことをお勧めします。
詳細はHubSpotのAI設定を管理する(ナレッジベース)に記載されています。
最後に、すでにBreezeを使い始めて「なんか返答がふわっとしてるな」「うちの会社のこと全然わかってないじゃん」と感じたら、それはBreezeの能力の問題ではなく、インプット不足かもしれません。

AI設定の「データソース」タブには、ブランドキット、会社プロファイル、最適顧客プロファイル(ICP)、製品・サービス情報...その他多くの項目があります。
Breezeはここに登録された情報をもとに回答を組み立てるので、今お悩みの方は、会社プロファイルやICPを埋めることで出力の解像度が変わるかもしれません。
HubSpotのAI機能は急速に進化しています。Breezeを中心に、日常業務の効率化からマーケティング・営業・カスタマーサポートの自動化まで、幅広い領域をカバーしつつあります。
とはいえ、AIはあくまでツールです。どこまでAIに任せて、どこから人間が関与するかのバランスを考えることが大事だと思います。
特にCRMデータの品質は、AIの精度に直結します。まずは自社のデータ基盤を整えた上で、段階的にAI機能を取り入れていくのが現実的なアプローチではないでしょうか。